世界への挑戦

株式会社バンク・オブ・イノベーション

株式会社バンク・オブ・イノベーション

取締役 富島 寛 氏
東京都新宿区新宿1-23-1 新宿マルネビル 903

2006年1月に設立したITベンチャー企業。複数の動画共有サイトの動画横断検索エンジン「Fooooo」を開発・運営。YouTube,Stage6,AmebaVisionなど国内外100サイトを対象にし、現在11ヶ国語に対応。

新宿御苑前駅から徒歩5分ほど、新宿御苑の緑を感じながら、新宿通りから中道に入った場所に今回取材にお伺いしたバンクオブイノベーション様がオフィスを構える新宿マルネビルがあります。新宿からのアクセスもよく、適度に落ち着いた周辺環境に、どっしりと構える新宿マルネビルの外観は印象的です。

動画検索で世界へ

創業はどのようにされたのですか?

代表の樋口が2006年1月に1人で立上げました。当初は樋口1名でフリーランスのような形式を取っていました。樋口含め役員3名は前職が一緒だったのですが、樋口が弊社を立ち上げた当初、私も田中もフリーランスでそれぞれ活動していまして、それぞれが起業しようという意識がありました。それなら一緒にやろうということで、フリーランスを1年半程行ったあと、自然と3名が集まったという形です。みんな寂しかったんですね(笑)。現在は3名それぞれ、役割が分かれています。樋口は開発メインで行っております。社長としても優秀ですが、いわゆる社長っぽさは全くないですね。生粋のエンジニア体質です。田中はファイナンスと開発を担当しています。2007年3月に東京大学を卒業し、殆ど1名で増資を担当してますから、新卒で増資担当ということになります。デイトレやってただけのことはあります(笑)。私は営業及び広報、トイレ掃除など色々やっています。

なぜ起業をしようと思ったのですか。

規模の拡大や上場というより、メンバーと何かをしたかったのが一番強いですね。気心が知れて信頼出来るメンバーと何かをしたいと強く思いました。現在はアルバイト含めて11名でやっているのですが、卒業をして皆がバラバラになってしまうよりは、一緒に何かを創っていきたいと思いました。京都にもメンバーがいるのですが、一緒に作業をする時は私が京都に行ったり、開発合宿という形でメンバー全員で京都まで行ったり・・・と離れた立地を有効に利用しています。

移転の経緯を教えてください。

前のオフィスは2LDKのマンションで、リビングは20畳くらいあったのですが、1部屋に私が、もう1部屋に代表の樋口が住んでいました。リビングをメインの仕事場としていたのですが、形が凹凸のある特徴的な部屋で、電気容量が足らずにブレーカを常に気にしていました。お客様が来社されたら樋口の部屋でミーティングをしたりして・・・。生活臭のある事務所兼住居で1年間位活動していました(笑)。その前のオフィスは、以前勤めていた会社に間借りをさせて頂いていました。今回の移転の話も急だったのですが、間借りをしていた会社から前回のマンションへの移転もギリギリのタイミングでしたね(笑)。荷物が結構あったのですが、半分は私の家に、残り半分を樋口と田中の部屋に押し込んで前回のマンションオフィスを探しました。前回のオフィス探しの時も新宿周辺を色々と見て周りまして新宿2丁目も見たのですが、非常に雰囲気が怪しい・・・。2丁目に事務所を構えていたら今の僕達は無かったです(笑)。前回のオフィスは現在、サーバルームと、私と樋口の住居として使用しています。住むのにはベストなマンションです。

新宿マルネビルのいいところを教えてください。

オフィス探しは随分しまして、全部で20棟程拝見したかと思います。その中で、一番しっかりとしていて落ち着いた雰囲気の物件で、全体的に満足しています。特にコレというのはないのですが(笑)。周辺も食べる場所が沢山あり、新宿御苑が近くにあるので、緑があるという雰囲気は味わえます。室内から新宿御苑が見えるわけではないので、非常に間接的ですけどね(笑)。また、移転後、優秀なメンバーに参加していただけたので、今回の移転には満足しています。

社名の由来は?

社名の由来は謎に包まれています。樋口が大学生のときに思いついた社名です(笑)。「Fooooo」(フーと読む)自体も名前の由来は謎です。意味合いとしては「Fooooo」の"F"は"find"を、"o"は大陸を意味しています。後付ですけど。世界には大陸が5大陸あるので、"o"が5個並んでいます。間違えやすいですが、インパクトはめちゃくちゃあるかと。

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新宿御苑の緑のせいか、空気がおいしく感じられます。バンク・オブ・イノベーション様は、基準階が100坪以上ある大型物件の一区画を使用されています。外観、エントランス共に落ち着いた雰囲気を持つ好印象な物件です。

テクノロジー主体のベンチャー

「Fooooo」について教えてください。

「Fooooo」は当初、樋口がFlashを検索できるサービスを造っていたのですがそれはあまり流行らず、同じFlashであれば動画を検索できるサービスを造ろうということでできたのが現在の「Fooooo」です。国内の市場で動画検索のプレイヤーは8社程あります。海外で主要なプレイヤーは20社程。その内、一番トラフィックがあるのが「googleビデオ検索」。2番目がAOLの子会社の「TRUVEO」。3番目が弊社の「Fooooo」です。動画検索業界では世界で3番目にトラフィックがあるサービスです。トラフィック面からいうと他の国内のプレイヤーと比較すると桁が違うと思います。理由の1つとして、「Fooooo」では日本語版含め、11ヶ国語に対応しているということがあります。内訳は、海外からのトラフィックが60%で国内が40%です。日本のWebサービスでここまで海外からのトラフィックがあるサービスも珍しいのではないかと思います。弊社では1億3000万件程の動画インデックスがありますが、他の国内動画検索は1000万件程しかありません。現状では「Fooooo」の方が使えるケースもあるし、「google動画検索」のほうが使えるケースもある、という状況です。ですので、まだ何処も動画検索の市場自体を手探りで探しているという状況です。戦国時代のようなイメージで、どこも突き抜けてはいないと思います。だからこそ大きなチャンスがあると思いますので世界に挑戦していきたいですね。

アメリカのカンファレンスにご出席されてみて如何ですか?

アメリカと日本の企業の違いは、テクノロジー企業であるかそうでないかというところだと思います。基本的にアメリカはテクノロジーありきの会社が多いです。会社の規模が小さくても特化している技術があり、オリジナリティがあります。また、テクノロジーの研究は中々成果が出るものではないのですが、資金や人が集まりやすい環境が整っています。対して、国内の市場は実際に儲かることが確定していないと資金も人も巡ってこないですね。それから、アメリカは技術的に価値があるものであればバイアウトの市場が整っています。国内では選択視にバイアウトが無いので、テクノロジーに特化してもバイアウト先が少ないです。そもそも資金が巡ってこないので、テクノロジー志向のベンチャー企業が育たない。なので、短期的な利益が必要になります。総合的には点と面の両方で負けているのではないかと思いました。日本はテクノロジー主体というより、ビジネス主体で考えている人が多いですね。

動画検索の今後と御社の戦略について教えてください。

国内の動画検索の現状としては「youtube」と「ニコニコ動画」である程度満たされている状況です。ただ、それらのサイトでは見られないような動画が、中国のマイナーなサイトには何故かあったりします。そこで、どうしてもその動画を見たい人にとって、動画検索が必要になってくるんです。本当に見たいものが見つかる体験をユーザーに提供するには、マニアックなところまでカバーして、精度の高い検索を提供する必要があると思っています。現状では動画検索の市場はまだこれからの段階です。「youtube」が強すぎるというか、「youtube」内で殆ど足りてしまうのでweb検索程の必要性が高まっていないのです。とはいえ、「ニコニコ動画」がサービスとして成功していたり、海外ではゲームだけを集めたニッチな動画サイトが立ち上がってきていたりするなど、今後は動画サイトもセグメントがもっと細かく分かれていく傾向になってきていて、その際に動画の検索が重要視されるかと。それから、動画検索の分野ではレコメンドやランキングなど偶発的な検索が必要になってくると思います。例えば、好きなタレントやミュージックなどはテキスト検索でカバー出来ると思うのですが、流行のものなどはテキスト検索ではカバーしきれない。ページを覗いてみたらたまたま楽しい動画に出会えるような検索方法を確立出来ればいいですね。そこはgoogleでもまだ提供していない領域だと思っています。

今後の展開は?

そもそも動画検索の市場自体がまだ誰も正解を出していません。トライ&エラーをするなかで正解のようなものが見えてきつつあるので、誰よりも早く正解にたどり着くことが重要です。ビジネスはビジネスとして考えることと、それとは別にいかに、面白くいかに便利なサービスを提供できるかが重要だと思っています。例えば、「google」が凄いのは上場しているから凄いのではなく、そもそもサービス自体が凄いから評価をされているんだと思います。 youtubeも然りで、赤字額が多くても非常に人気のあるサービスです。サービスそのものにパワーがないと、ビジネス上で成功しても魅力を感じてもらえないと思います。

東京オフィスに一言お願い致します。

いくつかあるのですが、1つは、安くて良かったです(笑)。あとは、こちらから無茶なことを言ってもしっかりと聞いてくれて、これで儲かるのか凄く不安になるくらい、粘り腰で探して頂きました。多分儲かってないと思ってます(笑)。凄く親切に対応して頂きました。サイト自体もとても使いやすいですね。他の会社のサイトもいくつも見て、実際の案内も数社にお願いしていたのですが、東京オフィスさんは、一緒に回っていて単純に面白かったです。他の不動産屋さんとは何か違いました。やたらとIT関係に詳しいですし(笑)。WEBの会社なのか不動産の会社なのか良く分からないところがとても良いところだと思います。

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執務スペースも撮影させて頂きました。動画検索業界で世界3位のトラフィック数を持つサービスはこちらのオフィスで運用されています。皆様、快く迎え入れてくださり、とても楽しく、刺激的なインタビューのお時間を頂きました。

取材を終えて

Yamada こちらのコラムは東京オフィスの岩上が担当いたします。
今回、取材にお伺いしたバンクオブイノベーションの富島様のお話の中で、世界へのアプローチを感じさせるお話が何度も出てきました。Webは世界と繋がってはいますが、言語の壁が大きい国内ベンチャーで、世界のフィールドで結果を出されているお話は単純に刺激を受けました。お忙しい中、取材をお受けいただきましてありがとうございました!

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