オフィスは経営事項

株式会社イー・エージェンシー

株式会社イー・エージェンシー

代表取締役社長 甲斐 真樹氏
千代田区神田錦町3-23 西本興産錦町ビル8階.11階

「web構築」、「eメールマーケティング支援」、「webプロモーション・キャンペーン支援」を事業の3本柱として、Web戦略の立案から、設計・開発・実装・運用・評価まで、一貫したサービスを展開する。「WEBビジネスコーディネーター」的な役割を担い、インターネットを通じて社会や文化の健全なる成長に貢献すべく努める成長企業。

雨のぱらつく中、神田錦町の西本興産ビルへ。エントランスに駆け込んでほっと一息。天井の高いロビーには休憩中と思われる女性社員たちが飲みもの片手に談笑している。8階に着き、応接室に通していただいて外を見ると、春の雨にしっとりと濡れた皇居の森が見える。そこに株式会社イー・エージェンシー代表取締役社長 甲斐 真樹氏 が颯爽と現れた。魅力的なお話をいくつも持っている方で、多くの有益なお話を聞くことができた。

オフィスが空いていると社員も焦る(笑)

これまでのオフィス史をお聞かせください。

京都の自分が住んでいたワンルームマンションが始まりです。大学の裏にあったので、そこにみんな出入りして、みんなが住みついて…(笑)創業となったわけです。7畳一間の部屋でしたが、その住所で登記して、今でも私の本籍はそこになっています。2年ほどで近くの12畳のワンルームに拡張移転(!)しました。もちろん私の住居としての機能も付随していましたが。住まいとオフィスが離れたのが京都リサーチパークに移ってからですね。京都のITベンチャーが集まった施設で、これからっていう企業にはすごくいいところです。保証金も節約できるし、部屋割りも柔軟に変更できるし、デザインも結構、格好いいビルです。

京都から東京にも営業所を出された経緯を教えていただけますか?

はじめ、私に社会経験がないってことでお客様にススメられて、内幸町にある第一企画(現アサツー ディー・ケイ)に出向することになったんです。一応私、社長なんですけどね(笑)。まさに修行のような日々で、新入社員の方と同等に働いていました。その間他の社員たち数名は京都にいて、今の株式会社イー・エージェンシーの前身である有限会社ジャパンサーチエンジンとして働いていました。
お金がなかったので、東京に家は借りず、1年間ほど東京の友達の家を転々として毎日住まいを確保していました。毎日夕方になると「今日は誰に泊まらせてもらおう」って考えるのは大変でしたね(笑)。
そうやって過ごしているうちに本業が忙しくなってきて、神保町の知り合いのオフィスを間借りして東京支社が始まりました。

その後順調に人が増えていったそうですね。

はい。間借りさせて頂いていたところよりも社員が増えてしまって、「これは申し訳ないな」という気持ちもあって移転を考えるようになりました。それにオフィスがいっぱいになると収支的にはいいけれど、「今の人員でできるもの」で考えてしまいがちなんです。新しい事業を作って人を当てていかないといけないんですよね。間借りしていたビルを出て、すぐ近くの高岡ビルに移ることにしました。当時の社員全員が入ってもスペースが余ってしまうほど広かったのですが、そうすると社員が「無駄遣いじゃないのか?大丈夫なのか?人増やさないと!」と焦ってくれて積極的に事業拡大へ向かってくれました。オフィスを拡張することで、心理的に働きかける、というか「これから頑張ってこう!」という気持ちも共有できるんですね。高岡ビルでしばらく過ごして、2002年に今の西本興産ビルに移りました。

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西本興産ビルは一面カーテンウォールになっていて、見た目も爽やか。エレベータを降りたスペースがエントランスになっている。植木たちがお出迎えしてくれた。会議室の窓からの眺め。皇居の緑が目に優しい。雨に濡れた緑は晴れているときとはまた別の魅力があるようだ。

サービスに実体が無いからこそ、オフィスには気を遣う

今のビルはいかがですか?

大変いいですよ。私たちの事業は形の無いものを提供しますから、オフィスで会社のグレードを評価される面が非常にあるんです。オフィスに来られた方が、うちがどのくらい設備にコストをかけているのかをオフィスで実感するんですね。「あぁ、ここの会社は同業他社のあそこの会社と同じくらいのグレードのビルだな、じゃあコンテンツの単価はこれくらいかな」と別の制作会社と比較したりしてコストや技量を推し量ったりすることがあるみたいです。ここのビルだとエントランスも豪華だし、応接室入ると壁一面のガラス越しに皇居の緑が見えて、遠くには六本木ヒルズも見える。江戸から平成を一望できる感じです。よく「あ、皇居が見えますね」って言われますが、皇居の緑が見えるのって一つのステータスなのかもしれません。
「勢いのあるベンチャーだな」と思って下さっていた方に、「成長したんだな」って思ってもらえるとうれしいですよね。

移転されて、そろそろ2年ですね。

オフィスでいうと、最近大きく変わったのはプライバシーマークを取得したことです。前のオフィスだと取れなかったんです。玄関あけたら会議室だったので(笑)お越しいただいたお客さんも、玄関開けて人がいるとびっくりされて、ついドアを閉めちゃうようなレイアウトだったんです。プライバシーマークをとってる会社ってやっぱりどこか閉塞感のあるオフィスが多いんですけど、うちの今のオフィスはこの応接室から奥の部屋にいい感じで光が入ってくれるので圧迫感がないんです。

今後のオフィス戦略はどう考えておられますか?

デザインに力を入れていく上で「日本」というものを大切にしたいと考えています。そのため、オフィスも土地と繋がりのあるところがいいと考えています。京都みたいなところですね。東京だと、渋谷とかではなくて江戸の町…みたいなとこがいいですね。その点今のオフィスは皇居が見えていて合格ですね。日本の文化に根ざしたモノをちゃんとつくって行こうという気持ちが社会にも社員にも伝わるようなところが理想です。自分たちが日本の習慣などを相手にしている、という部分を忘れないようにしたいと思っているからです。

最後に、東京オフィスコンサルティングのサービスについて一言お願いします。

これまでの不動産屋さんでは、オフィスの資料を沢山用意してくれてその中から「はい、選んでね」というレベルのサービスだったように思います。オフィスをどうするか、これは至って経営事項なんですよね。それに気づかせてくれました。経営事項について、鉛筆をどこから買うかという程度の感覚で選んではいけないと教えられた気がします。賃料だとか、坪数とかそういう選定ではなく「経営事項としてオフィス戦略」を相談できる不動産屋って世の中に必要だと思いますよ。がんばってね。

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窓からよく見てみると、手前の道路が境界になって向こうは大手町。建物の切れ目がちょうど目の前にあたり、うまい具合に皇居が見える立地なのだ。 社員の皆様仕事風景。みなさんがっつり働いておいでです。応接室のブラインドはなんとなく御簾をイメージするものを選んだそうだ。さすが、京都出身企業。「方向性をきっちり決めていると、社長の知らないところで椅子などが増えたりする(笑)」(甲斐氏)と、なんともおおらかな笑顔に見送られ、ビルを後にする。とにかく気持ちのいい時間を過ごすことができる会社であった。

取材を終えて

甲斐さんのお話はとにかく幅がひろかったです。日本文化の素晴らしさから京都の贅沢品復権の必要性、不動産業界展望の見解、弊社が取り組むべき方向の助言まで、色々なお話を聞かせてくださいました。オフィス戦略の内容も、今回書ききれないくらい豊富な例え話などが盛り込み放題、私も聞き放題。講演費払った方がいいんじゃないか?と思ってしまう程でした。おかげさまで、今後の弊社の事業展開など私的に考えるヒントをいっぱい得ることができました。甲斐さん、ありがとうございました☆

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