会社にオフィスは必要なのか?

イー・キャッシュ株式会社

イー・キャッシュ株式会社

代表取締役社長 玉木 栄三郎 氏
東京都港区海岸3-26-1 バーク芝浦10F

RFID(非接触IC)技術を利用したビジネスそのもの、あるいはプロダクトやサービスの企画・構築・運営サービスを提供するビジネスデザイン、またRFID(非接触IC)技術を利用した製品の企画・製造(ODM/OEM)サービスであるプロダクトデザインを行う。

今回取材にお伺いするイー・キャッシュさんのオフィスは海のそば!住所も港区海岸となんとも気持ちのよさそうなイメージです。田町駅から15分、芝浦ふ頭駅から5分と少しアクセスに不便はあるものの、立地、環境、眺望・・・行ってびっくり!

場が人をつくる

創業について教えてください。

登記上の設立は1990年ですが、事業目的を電子認証・認識技術を軸としたサービスの提供に改めたのは2000年になります。当時は第一次ITバブルが崩壊した頃で、ITだけではなくベンチャーバブルが崩壊した時期でした。そういった状況を目の当たりにして、今後は他社にはできないサービスを提供していかないと生き残れないと感じていました。当時、クレジットカード系の会社とカード決済のサーバー処理などの業務を行うことができる権利を取得したこともあり、実業としても面白みがありまして今後伸びていくだろうと電子マネーの事業を始めました。しかしその当時すでに電子マネーの決済代行のサービスはあり、弊社は業界的には後発でした。そういう理由も関係して、最初の頃は鳴かず飛ばずでうまくいかない状況でしたね。そういった厳しい状況の中、他社と差別化できる特徴のあることをやらなければ事業的に難しいのではないかということで、当時は黎明期だった非接触のICカードによる決済にフォーカスしていったんです。その頃はやっとEdyが世にリリースされたか、されないかの時期で、今後はそういった決済方法が主流になるのではと考え、RFID技術を利用したサービスや製品に注力していきました。その後、おサイフケータイやICカードがどんどん出てきて、うまく時代に乗り現在の規模に成長できたというのが創業からの流れになります。

最初のオフィスについて教えてください。

最初の頃は八重洲で知り合いの会社さんのオフィスに間借りさせていただいていました。小さな役所のような雰囲気で机を3つ並べて仕事をしていました。私はその頃そのオフィスには常駐はしておらず、SOHOのような形で仕事をしていましたが、当時の私の考えは会社のオフィスはそんなに立派である必要はないというものでした。オフィス自体がお金を生むわけではないですし・・・。しかしその一方で、就業環境には実はものすごくこだわりがありました。こだわりがない反面、それがこだわりになって戻ってくるというのもあるんですが・・・。次に神谷町で森トラスト系の40MTのインキュベーションセンターのようなオフィスにはいって、その後、三田国際ビルに移りました。三田のオフィスでは20名ぐらいになっていましたね。
上場してお金にゆとりができたといってしまったら身も蓋もない感じなのですが、今まで実現できていなかったオフィスへのこだわりや就業環境へのこだわりをちょっと考えてみようかな、と今回の移転の際に思いましたね。上場企業になると、上場している意味、その会社が社会に存在している意味を追求しなくてはなりません。そういった理念がきちんと反映されたオフィスにしたいなと。三田のオフィスは四角いオフィスに四角い机を並べてまるでお役所のような硬い雰囲気でした(笑)。働いているみんなも硬い雰囲気で、場が人を作るのだなと感じていました。そんな三田のオフィスの反動もあるかと思うのですが、ここはビジネスという単純な切り口でも存在感を示さないといけないし、オフィスに関してもきちんと考えてやっていかないといけないなと思ったんです。四角いところに人間を詰め込んで丸くなれといわれても難しいですよね。

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オフィスの形が四角ではなく丸い形をしているので色々な方向から光が差し込みオフィス内はとても明るい!窓の外は海、視界をさえぎる高い建物も近隣にないので、開放感があります。どこかのリゾートのホテルのラウンジのような雰囲気に感動。

オフィス考察

今回の移転はいかがでしたか?

オフィスに関しては色々考えましたね。そもそもオフィスは必要なのか?ということも考えましたし、東京である必要があるのか?ということも考えました。イー・キャッシュにとってオフィスは必要なのかという議論が社内でもずっとありまして、ではオフィスとは一体何なのか?別に家でも仕事はできますし、コストを抑えることを考えるなら間借りするという方法もありますし、その一方で、中途半端に四角いところに入れると四角い人間になってしまうし・・・どうしたらいいんだろうと思いましたね。
結論から言うと、オフィスは要らないという結論に落ち着きました。要らないというと語弊があるかもしれませんが、『会社にはオフィスが必要だ』ということが間違っている。『仕事をまじめにするためにはオフィスが必要だ』という結論になったんです。

オフィスづくりのポイントは?

先ほども話しましたが以前、仕事は家でもできるとSOHOのような形でしていたことがあります。その時は、仕事の環境を整えようと、LANケーブルを引いたり、大きな複合機を入れたりしていましたが、ケーブル配線はきれいでないし、複合機はうるさいし邪魔で・・・と全然クリエイティブな環境でなくなってくる。それなら外で仕事をしようとクリエイティブな雰囲気の海辺のカフェなんかで仕事をしたこともあります。イメージ的にはかっこいいですよね(笑)。でも実際にそういった場所で仕事をしてみるとLANはない、電源が取れない、トイレに行くときにパソコンどうしよう・・・全く仕事ができる設備がない。でも環境はいいんですよね。家ではクリエイティブな環境ではない、外では仕事をできる設備がない、じゃどこで仕事すればいいのだろうってずっと考えていました。
このオフィスを作る時は、そういうのを全部いいとこ取りできる場所にしよう、簡単にいうと仕事に特化したカフェのような場所にしようと考えました。LANがあって、トイレに立つ時もいちいちパソコンどうしようと気にしなくていい環境がいい。働く環境をつくること、どうせこだわるならそれをこのオフィスで実現しようと思いました。

イー・キャッシュにとってのオフィスとは?

オフィスがあるからみんな出社するのではなくて、仕事があるから出社してほしいという思いがありますね。別に会社に来なくてもいいと思うんです。そもそもなぜ会社に来なくてはいけないのかということを社員には追求してほしい。働くことの根本を考えてもらうために私がかつてそういう風に考えたオフィス像というものをこのオフィスで実現しようと思ったんです。
そのためには眺めが良くなくてはいけないとか、色々な条件がありましたね。湾岸沿いのオフィスを物色したり、東京タワーが見えるオフィスや緑が見えるオフィスを物色したり・・・。こちらのビルはビルの形が丸いのもすごくいいですし、窓が大きくて外は海、非常に満足度の高いオフィスに移ることができました。

東京オフィスコンサルティングに一言お願いします。

オフィスには理念とかそういうものが反映されるべきですし、おのずと反映されていきますから、逆に言うとそれを加味してオフィス探しをしてもらえないと潜在的な不満足感につながっていってしまうと思います。東京オフィスさんは我々の理念やオフィスに対する姿勢を理解してオフィス探しを手伝ってくれた、それが良かったですね。

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取材を終えて

Yamada こちらのコラムは東京オフィスの山下が担当いたします。
今回取材にお伺いしたイー・キャッシュの玉木社長のお話で『会社にはオフィスが必要だということが間違っている。仕事をまじめにするためにはオフィスが必要だ』オフィスの存在価値そのものを表す言葉だなと思いました。会社に勤めているとどうしても毎日会社に行くというイメージになりがちですが、本当は仕事をしにいく・・核心なのに、意外とみんな忘れていることなのではないかな?と思ったりもしました。

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